お姫様になりたい。

 

幼稚園のときの運動会。

 

年長クラスの恒例演目となっていた

鼓笛隊のパレードで

 

わたしは100人弱(盛っているかもしれない)

を従える指揮者を務めたのだけど、

 

ひとりしかなれないその役に

立候補した理由が

 

 

ブーツが履きたかったから。

 

だったそうな。

 

 

なんとなく、覚えている。

 

年中のとき先輩たちのパレードを

見ながらゆうこ先生に

「あのブーツは、指揮者だけが履けるの?」

と聞いたことを。

 

 

先頭に立つリーダー的ポジションだから

なのか、衣装がいちばん可愛かった。

そして、白いブーツがとても輝いていた。

 

 

 

思い返すと、幼稚園児のわたしは

衣装関連でいろいろとわがままを言っていた。

 

ダンス発表会では他のグループの衣装の方が

可愛いことに気がつくと、

振り付けを8割がた教えてもらっていた

段階にも関わらず

突然のグループ移籍を図ったり、

 

七五三記念でドレス写真を

撮ってもらったことがあるのだけど、

サイズが合わないために

そもそもお店から選択肢として

提示されていなかった(けど可愛かった)

ドレスを見つけるやいなや、

「この黄色いドレスがどうしても着たい」と

ファスナーを最後まで閉めずに着て

撮影させてもらったり。

 

 

 

お姫様になりたい。

 

そう思ったことは一度もないけど、

 

素敵な衣装を身にまとうことが、

好きだったんだなあ。

 

 

あれから20年。

 

わがままが復活するのは、

ウェディングドレス選びでだろうか。

 

そのときがきたら

可愛いやつ、着られますように。