ママ

 

母に、顔が似てきた。

 

 

ふとした瞬間に

あっ いまの顔 お母さんぽかったぞ?

と思うことが、増えてきたなと。

 

見た目が似ていると感じたのは二回目で、

もういっかいはというと

幼い頃、母の実家で当時のじぶんと

同じ年頃の母の写真をみせてもらったとき。

あまりにそっくりだったことに

ああ、わたしちゃんとお母さんの娘だ、

と謎にほっとした記憶がある。

 

お母さんはいつでも味方でいてくれて、

わたしのやりたいことや決めたことに

心配してくれたり怪訝な顔したりも

もちろんあるけど、

最終的にはいつも応援してくれる。

 

無理やりなにかを止めさせられたり、

無茶なことを要求されたこともない。

 

唯一懇願されたことといえば、

「ママと呼ばないで」だった。

 

むずがゆいんだって。

物心ついたタイミングで言われたと思う。

ママ呼びがとても嫌そうだったのを覚えてる。

 

 

 

 

と思ったけどそういえば、もういっこあった。

 

 

 

「似顔絵に、目の下のシミまで描かなくていいんだよ。」

 

 

 

あのときは女心が分かっていなかった。

ごめんねお母さん。